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サンゴのための水質改善を考える

サステナブルアイランド石垣では、石垣の社会や経済の礎ともなるサンゴ礁の保全に必須となる島の周りの水質改善について、全体的な目標値を定める「サンゴの海にふさわしい水質基準」の条例化、そして排水対策の改善について行政への「要望書」を今年4月にまとめました。


これがこの度、八重山ローカルSDGs推進協議会を通じ正式な誓願書という形で石垣市議会へ提出され、9/8の参考人説明を経て総務財政委員会で全会一致で採択されました!この要望は12月から正式に議事として審議されることになります。


この要望書は、これまでの「やいまSDGsシンポジウム」等を通じた関係者との情報交換や目標の共有、そして既に集まっている科学的根拠、また世界中で実施されてきた解決策への取り組み事例のまとめから、石垣市がすぐにでも取り掛かれることの提案、またその実行可能な実施体制づくりのための市民や有識者との協働プラットフォーム作成のきっかけの意味合いがあります。


(何より、協議やシンポジウムばかりやっていても改善が実施されなければ意味がない、既に対応が遅すぎとも言えるこれらの問題を早く地域全体で実施に移したい、というSIIの想いが現れたものです)


そして、より有効かつ正式なプロセスを経て議会へ届けるため相談・協議の上、八重山ローカルSDGs推進協議会へ共有され、そこから協議会のサンゴ礁保全/生物多様性部会とSDGs推進協議会全体として、地域の議会をよくご存知で協議会メンバーである超党派議員3名の連名を頂き、6/26に石垣市議会我喜屋議長宛てに正式な請願書として提出されました。


このタイミングでは次の議会である9月の議会で正式に議事とするには間に合わなかったものの、議員の方の特別な計らいにより、12月議会に向け条例案策定の審議会設置、円卓会議的なプラットフォーム「産官学民連携協議体」の形成および予算案をより具体的に12月に出来るよう9/8に参考人招致の機会を頂き、詳しい内容の説明を説明させて頂きました。SIIからも田村が科学的根拠などを説明させて頂きました。


その結果、当日中に総務財政委員会で全会一致で採択され、12月から議事として審議されることが確定しました。


ここまで理解を得るには、5月頃に下水道の座談会を各党派の議員さん対象に行うなどの地道な活動、そしてそれを圧倒的な”自分ごと”として一緒に協力頂いた市民の方々の協力、その想いを拾って頂いた議員さん達と八重山ローカルSDGs推進協議会の尽力が本当に大きいものでした。(これはこれだけで結構な報告になりそうですので、詳細はまた次に載せますね)


話はやっと議題にのぼったばかりではありますが、市長も含め党派の異なる議員さんたちの多くに賛同頂けたようで、SDGs具体的な改善策を分野横断的に取り組む素地がやっと出来ていくような感じがしています。


出来ることから順に、でも確実に、実際の改善に必要な施策が長期的・段階的に予算とともに配備され、実施がされるよう、これからもSIIは尽力していきたいと思います。


ちなみに、水質基準の制定は農業や畜産、排水や観光などサンゴ礁保全にかかるすべての人間活動を包括的に管理するための共有する目標として重要なものであり、これ自体が何か改善になるものではありませんし、制定されたからと言って実施が保証されるものでもないのは重々承知しています。


ですが、これがあることで、例えば一定の水質基準より汚染が見込まれるダイブサイトへの利用人数制限をする時、または特定の産業の排水基準の制定などが、明確な根拠をもって決定されやすくなるでしょう。これまでのようにただモニタリングをするだけでなく、基準を超えた時の対応が根拠をもって求められるようになります。


グレートバリアリーフでも、同様のサンゴにふさわしい科学的な水質基準を制定し、各行政機関や市民団体、教育機関などが連帯しています。


気候変動の進行に伴い、島の環境は今後加速度的に自然からの試練を受けるでしょう。開発と保全の争いに発展する前に、できるならば、行政を含む各機関の人たちがサンゴ礁や自然の恩恵と日々の活動のつながりを理解し、自分ごととして意思決定に反映でき、学び合うプラットフォームが作られ、よい政策や規制の実施が非専門家にも簡便になるような基準ができれば、全員のストレスを減らしていけるのではないかと思います。


協議会へ提出し、誓願書へ添付されたオリジナルの要望書をご参考まで添付します。ご質問、ご意見等ありましたらぜひお寄せください。


サステナブルアイランド石垣 Yoko




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