グランピングで自然と調和したサステナブルな暮らしを体験! 石垣島の豊かな自然の中に佇む『レインボーフォレスト』

更新日:7月1日

場所は、西表島石垣国立公園に位置する石垣島北部の野底。



近くに川が流れ、鳥の声が鳴り響く。 木や植物が生い茂るジャングルの中に『レインボーフォレスト』はあります。


松浦たかひろさんは、豊かな自然に囲まれたこの場所で畑を作り、家族とヤギや鶏などの動物たちと暮らしながら、日本初のパーマカルチャーグランピング施設『レインボーフォレスト』を2021年5月にオープンしました。


オーナーの松浦たかひろさん

近年、新しいキャンプスタイルとして人気のグランピング。 今回ご紹介する『レインボーフォレスト』は、グランピングサイトを始めとした施設がなんと、オール手作り! ジャングルの中だとは思えないほどお洒落でセンスがよく、清潔なトイレ・シャワーはもちろん、火起こしから焚き火、かまどご飯やバーベキューを楽しめるスペースも完備されています。また環境に配慮したアメニティまで用意されているので、キャンプスタイルでありながら快適に過ごすことができるのです。

そして、特に注目したいのは、人と自然が共存する為に至る所に環境へ配慮したアイディアがたくさん取り込まれているところ。石垣島のジャングルのような大自然の中にありながら『サステナブルな暮らし』が体験できるということです!


「自分たちが暮らしている場所に、グランピングで泊まれるような施設を作った。」

と松浦さんは言います。



松浦さん家族がこの場所を自分たちの暮らしの場所として選び、グランピング施設を作った理由とは何だったのでしょうか。

松浦さんは、石垣島に移住後、老舗のダイビングショップに勤務。石垣島の海や自然の魅力を多くの方々に伝えてきました。そのキャリアを生かし2013年には、マリンショップ『レインボーリーフ石垣島』を開業。また、ちょうど同じタイミングで新石垣島空港が開港しました。どんどん開発が進み便利になる一方で、好きだった山の景色がいきなり平らになってしまうことも……。次々と自然が失われてしまうことに心を痛めたと話してくれました。また、産業排水や生活排水による水質問題に直面したりと、環境のことについて考える中で矛盾を感じることも増えていったそうです。 そんな中、野底にあるこの土地が売られていることを知ります。もともと、「自然と共存した暮らしがしたい。」という思いがあった松浦さん。『レインボーフォレスト』の原点は、人が自然環境へ与える影響を「何とかしないと!」という気持ちがきっかけだったと言います。 「自然に負担を掛けるのではなく、自然から受ける恩恵を活かし、自然と仲良く暮らしたい。」


色々なご縁が繋がったことから土地を購入し、自分たちの生活の場所を野底に移すことに。松浦さんにとってこの場所は、海の仕事を続ける中で石垣島の自然と向かいあって来たからこそ、たどり着いた場所でもあります。それから何年もかけて自然との調和を目指した暮らしの場所づくりの挑戦が始まりました。時には豊かすぎる自然に飲み込まれてしまいそうになって恐怖を感じることや、計算通りや思い通りにいかないことも……。「自然が相手だとやらなければいけない作業も多過ぎるし、海の仕事との両立する上で、苦労することもたくさんあった。」と振り返ります。それでも松浦さんは『暮らしは実験』と常に前を見据え、少しずつ理想の形を作っていきました。

様々な試行錯誤を繰り返しながら、オーストラリア発祥の持続可能な生活をするための手法『パーマカルチャー』を取り入れ、現在の形が出来上がっていったと言います。そして、自然と調和することの価値観を少しでも多くの人に伝えたいとの思いから、自分たちの暮らしている場所にお客様を迎えるという形で、グランピング施設『レインボーフォレスト』の誕生となったのです。

ちなみに、『パーマカルチャー』という言葉、初めて聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的に『パーマカルチャー』とは、パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法のことを言います。 『レインボーフォレスト』には至る所にそんな環境に配慮されたアイデアがたくさん取り込まれていて、そこに滞在することによって実際に見て触って体験することが可能となっています。

例えば、落ち葉や生ごみは『コンポスト』を利用して堆肥にかえていくシステムを採用。堆肥として土に返し、野菜を育てる畑で肥料として活用します。もちろん、宿泊したお客様にも生ごみを捨てる際にはコンポストを利用してもらいます。


コンポスト

そして施設内から出る排水は浄化槽を通って自作の『バイオジオフィルター』(排水をろ過するシステム)へ流れる仕組みとなっているのです。浄化槽で分解した水は栄養が多すぎて実は環境に良くないのです。しかし、バイオジオフィルターを通すことによって溜まった水の過度な栄養分を微生物が食べてくれます。さらにそこでは栄養を多く必要とする空心菜を育てています。植物が栄養を吸ってくれることにより、溜まった水が流れ出る時には渓流レベルまで戻り、その水質の良さは生物の多様性を育むことで、より土地が豊かになっていくのです。ちなみに、そのフィルターの役割は、廃材となった赤瓦を使用。(なんとも沖縄らしい!)産業廃棄物は廃棄するのにも費用もかかるため、建築現場の方も喜んで譲ってくれたそうです。


赤瓦を細かく割って敷き詰めています

こちらは、『スパイラルハーブガーデン』

スパイラルハーブガーデン

その名のとおりスパイラル(うず巻き)状に作られたハーブの花壇です。うず巻き状に高さが変わるようデザインされた花壇では、1つの花壇の中で日当たりがいいところから、湿気の多いところなどの様々な環境が作れるので、それぞれの場所で条件に適した植物を育てることが可能になります。 今後はここで育てたハーブや、畑で採れた野菜をお客様に自由に収獲してもらったり、料理のレシピを考えたりと、自分で収獲する楽しさや作る楽しさを味わうことも計画中です。 さらに2泊以上滞在すると出来上がった料理にちょっとした工夫をすることによって新たなメニューに変えていきます。楽しみながら、フードロスの実践も体験出来るのです。

宿泊はもちろん1泊から可能ですが、オプションで、ダイビングインストラクターでもある松浦さんのガイドのもと、すぐそばの川からジャングルを通ってカヤックで海へ下ったり、シュノーケリングやトレッキングなどのアクティビティも体験できます。この環境を堪能し、自然との調和を十分に楽しむには2泊以上でゆったりと自然に身を任せてみるのがオススメです!

幼い子どもたちを育てながら大自然の中で暮らす松浦さん。ここで感じる森の香りや水の音、鳥や動物の声は、子供たちにとっても居心地のいい場所のよう。だからこそ、ここでの暮らしをぜひファミリーで体験してほしいという思いがあります。 将来的には売り上げを果樹を植えるための資金にして、みんなの力で森の保全を未来に繋げていきたいと夢を語ってくれました。 松浦さんは、今、未来を見通してしなければいけないことを形にしています。 大自然の中で一見、原始的な雰囲気だけど、『レインボーフォレスト』は未来のあるべき暮らしが体験できるの場所なのかもしれません。

お金を払ってなんでもやってもらうのではなく、日常ではなかなか出来ない「ひと手間」を掛けることによって自然と繋がる何かを感じる。『レインボーフォレスト』は暮らしと旅が交わる新しい場所という印象を受けました。

レインボーフォレスト 住所:沖縄県石垣市字野底92

営業時間:8:00~20:00 定休日:不定休

交通アクセス 「新石垣空港」より車で約30分 「石垣市内」より車で約40分

ホームページ: https://rainbowforest-ishigaki.com/


リポート:Masami